注文住宅に地下室は必要?設置するメリット・デメリットについて解説!
この記事を読んでいる方のなかで、注文住宅を建てるときに地下室を設置したいと考えている方も少なからずいらっしゃるかと思います。地下室を設置すれば、遮音性が高いうえに、より一層土地を活用できます。この記事では、注文住宅に地下室は必要なのか、地下室を設置するメリットとデメリットを一緒に詳しく解説します。
注文住宅に地下室を設けるメリット
注文住宅に地下室を設けるメリットは、次の4点です。
土地を有効活用できる
まずは、土地を有効活用できるという点です。とくに、都市部では土地代が高いため、敷地面積が狭い住宅になってしまう場合もあります。そのため、地下室を設けることで、広々したスペースの確保し、ワークスペースや趣味を楽しむ部屋として利用するといったことができます。家で過ごす時間がより快適なものになります。
遮音性が高い
地下室は土に囲まれた空間なので、遮音性が高くなります。そのため、カラオケや音楽を楽しんだり、シアタールームして大音量で映画を観たりするなど、騒音やご近所迷惑の心配をせずに没頭できます。とくに、わんぱく盛りの子どもがいるご家庭からしてみると、どれだけ騒いでも問題ないスペースがあるのは、非常に魅力的なことではないでしょうか。
気温・温度の変化が少ない
地下室を設けるにあたり、建築基準法に基づいて調湿や換気のための設備を設置するように定められています。そのため、気温や湿度が一定に保たれやすくなります。気温・湿度の変化が少ない環境で年中快適に過ごすことができます。
地震に強い
日本は、いつ大地震が発生してもおかしくないといわれるほど、世界有数の地震大国です。建物は、地面より高いほど地震による揺れの影響を受けやすくなります。しかし、地下室自体が地面に囲まれているので、地震の影響を受けにくく、地震に強いといわれています。また、地下室が頑丈な基礎となることで、家全体の耐震性が向上するというメリットもあります。災害時でもシェルターとして活用できるため、もしもの時でも安心です。
注文住宅に地下室を設けるデメリット
さまざまな利点がある地下室ですが、地下室を設けたことでデメリットとなるポイントもあります。3つ紹介します。
建築費が高い
地下室の設置は、重機で土を掘り起こし処分してコンクリートで壁を造るなどといった、通常の家を建てるよりも工程が多くなるため、建築費用が高くなります。場合によっては、5割以上もの建築費が高くなることあります。ほかにも、地盤調査、地盤改良、浸水対策、結露対策などのさまざまな費用がかかります。
結露しやすい
建築基準法で定められた換気システムを設置していても、地下室では湿気が溜まる場合があります。また、冬だけでなく夏も結露しやすいため、カビが発生しやすくなります。そのため、地下室を快適な空間にするためにも、年中除湿することが大切です。とくに、コンクリートは施工から1年ほど水蒸気を発するため、注意しましょう。
水害に注意
大型の台風やゲリラ豪雨などの水害が起きると、地下室に雨が流れ込んでくる場合があります。そうすると、流れ込んできた水によって扉が開かなくなったり、地下室を利用できなくなったりしてしまいます。このようなことを避けるためにも、設置時に浸水対策する必要があります。
地下室の建築費用相場
地下室の設けるうえでメリットやデメリットを把握したうえで、地下室の建築費用はどれほどかかるものでしょうか。建築費用相場は、次のようになります。
地盤調査(ボーリング調査)
地下室が作れる地盤か調べるための地盤調査(ボーリング調査)には、30万円前後費用がかかります。
構造計算費
外部からの圧力による構造物の変化やどの程度まで耐えられるのかを判断する構造計算には、20~30万円前後の費用がかかります。
設計費
地下室の設計は、30~80万円前後の費用がかかります。
山留め工事費
鉄筋コンクリート建築物を構造的に支えている骨組み部分の構造体が完成するまで、周囲が崩れないように仮設壁を設置する山留め工事には、地下室の広さにもよりますが200万円前後の費用がかかります。
掘削工事費
地下室を作るために地面を掘り返す掘削工事には、地下室の広さによりますが200万円前後の工事費がかかります。
防水工事
地下室への浸水を防ぐための工事には、地下室の広さによりますが80万円前後の工事費がかかります。
各種設備工事
空調や換気、排水のためのシステムを設置する工事には、100万円前後の費用がかかります。
地下室の設計を業者に依頼する際に注意するべきポイント
最後に、地下室の設計を業者に依頼する際に注意するべきポイントを2つ紹介します。
ドライエリアの設置
ドライエリアとは、地下室への採光や風通しを目的に建物の周囲の地面を深く掘って作られる空間のことです。からぼりとも呼ばれています。建築基準法では、地下室は原則としてドライエリアを設置するよう定めています。
湿気対策
地下室は湿気が溜まりやすいので、湿気対策が必要です。具体的には、換気システム、除湿設備などの設置が対策として挙げられます。ドライエリアの設置もここに含まれます。
まとめ
注文住宅に地下室は必要なのか、地下室を設置するメリットとデメリットについて詳しく紹介しました。地下室の設置には、高い建築費や結露しやすいなどのデメリットがあります。しかし、広いスペースや趣味を思いっきり楽しめる空間を手に入れることができるため、毎日の生活が豊かになる可能性も秘めています。注文住宅で地下室を設置しようか悩んでいる方は、メリット・デメリットをよく理解してから、検討してみてはいかがでしょうか。