注文住宅の施工業者を選ぶ際に意識するべきポイントとは?
マイホームを新築するにあたり、自分の好みやこだわりを反映できる注文住宅は魅力的です。施工業者との付き合いは設計からアフターフォローを含め長期にわたるため、信頼できる施工業者に依頼することこそが、家づくりの成否を握るといってもいいでしょう。今回は注文住宅の施工業者を選ぶ際に意識するべきポイントについてご紹介します。
注文住宅の施工を依頼できる業者の種類
新築住宅を建てるにあたり「広い庭が欲しい」「リビングは大きな窓からたくさん光を取り込めるようにしたい」「老後まで住むことも考えて玄関や階段はバリアフリーにしたい」「キッチンは対面型でオール家電がいい」などなど、家族それぞれが頭の中に理想の住居を思い描くことでしょう。
希望通りのマイホームを現実のものにするためには、こだわりが反映できる注文住宅で建てることになります。注文住宅を建てる場合、施工業者に建築の依頼と契約を結ぶ必要があります。依頼先には大きく分けて、工務店、ハウスメーカー、設計事務所の3種類が存在します。工務店は地域密着型で営業するタイプの施工業者です。
地域事情や気候風土に合わせた技術を備えています。平均的な工期の長さは4か月から5か月程度、価格はハウスメーカーに比べて安い傾向にあり、アフターメンテナンスは会社によってまちまちです。ハウスメーカーは全国に支社を構えているため、対応エリアが広大なのが特徴です。
設計の自由度は低めで、平均的な工期の長さは2.5か月から4か月程度、価格は工務店と比べて高めの傾向があり、アフターメンテナンスは安定して充実しています。大手であれば設計から施工まで自社で一貫して行っているため、建築コストが安くなります。最後の設計事務所は設計力に特化しているのが特徴で、施工は工務店に依頼するケースがほとんどです。
工務店とハウスメーカーは、既に用意してあるいくつかの住宅パターンから施主の希望に近いものを選択し、これをベースにして修正を加えるという形で設計を行います。これに対して設計事務所は、施主の希望を聞いたうえで一から設計を行います。施工は設計図を形にできる工務店に依頼するため、価格は高めになるものの、施主にとってもっとも理想の家に寄り添った設計ができるという魅力があります。
注文住宅の施工業者を選ぶ際によくある失敗
注文住宅の建築で失敗したと感じることの常連項目として「間取りの使いにくさ」「収納不足」「窓の位置」などが挙げられます。これらの失敗点は一見、設計部分に原因があるように感じられますが、根本的な原因として「施工業者の選択ミス」も存在しています。それは施工業者にも得意不得意があって、施主が希望する家を建築するために必要な技術と、依頼した施工業者の得意ジャンルが異なるという意味です。
施工業者というのは、建築工事を手掛ける事業者をさし、大工や左官、屋根・電気・管など業種区分の職人です。施工業者によって、過去の実績や在籍する職人が異なるため、得意とする工法や間取りも異なるのが実情です。施主の望む家づくりに適した工法を得意とする工務店に依頼できれば、満足いく仕上がりになる可能性は高くなります。
また、施工業者は家づくりのスペシャリストです。施主と比べて家づくりに関する経験や知識は当然豊富です。設計段階で、使いにくい間取りや窓の位置、収納スペースの過不足があれば、問題点の指摘や改善案の提案が期待できます。その一方で、家づくりの窓口係である担当者と価値観や波長が合わないような場合、コミュニケーション不足等から施主の理想のすまいを汲み取ることができず、理想とかけ離れた家ができてしまう恐れがあります。
とくに、設計担当はすまいの骨格を決める重要な役どころです。家づくりの契約前に、設計者と接触できるようであれば、波長の合う・合わない、理想の住まいについての丁寧なヒアリングが期待できるかどうかなどのポイントを、事前に把握・判断することが可能です。
注文住宅の施工業者を選ぶ際に意識するべきポイント
既にご紹介した通り、施工業者によって家づくりの段階や工法などに得意不得意があったり、担当者との相性によっては施主の理想がしっかり伝わらなかったりすることなどから、施工業者選びを慎重に行うことは、家づくりを成功に導くといってもよいでしょう。注文住宅の施工業者を選ぶ際に意識するべきポイントとして、大きく分けて対応面・工事面・提案力・価格面の4つが挙げられます。
対応面では「担当者の対応力、相性」「営業担当者と現場担当者との連携力」「アフターフォローの充実度」「施主の要望に対して丁寧な対応が望めるか」などをチェックしましょう。工事面では「職人の質」「工事監理者の有無や管理力の高さ」「工期が遅れた場合の取り決め」、提案力では「プランに見合う予算か」「施主の要望の反映度」「モデルハウスとの差」「維持やメンテナンスにかかる費用」「住み心地」について問題がないかを確認します。
価格面では「納得できるコストパフォーマンスか」「設計の変更や追加が生じた場合に費用が発生するか、どの程度かかるか」「支払い条件は問題ないか」などを意識することをおすすめします。
まとめ
注文住宅の施工業者を選ぶ際に意識するべきポイントについてご紹介しました。注文住宅を依頼する場合には、施主が実現したいこだわりのポイントを明確化することが大切です。優先度の高いこだわりポイントを実現することが可能な施工業者に依頼することで、理想に近いマイホームを得ることにつながります。施工業者を選ぶ際には、対応面・工事面・提案力・価格面を意識して評価しましょう。いずれかの面において不安や不信を感じたまま工事を始めてしまうと、後悔や不満につながってしまうため要注意です。